ebook

第1章

ローカル5G導入の5つメリット


大手キャリアだけでなく、企業でも「ローカル5G」を使うことで自由に5Gによるネットワークの構築が可能です。

最近は工場・大型施設内において利用が広がっています。

そんな「ローカル5G」のメリット・活用・導入方法についてご紹介いたします。

【今さら聞けない】ローカル5Gとは?

ローカル5G とは、通信事業者 (キャリア) に頼らず、企業や自治体などが「自己の建物内」「自己の土地内」などで利用可能な独自の5Gネットワークを構築する自営無線です。5Gの特徴である「超高速」「多数同時接続」「超低遅延・高信頼」をキャリアに依存することなく局所的に実現することができます。

また、海外でも同様の概念があり、アメリカ、ドイツ、フランス、イギリスなどでもローカル5Gの活用が進んでおり、いくつか事例が報告されています。

メリット①:通信コストの削減

ローカル5Gと機械を接続することによる業務の自動化からコスト削減に繋がるケースがあります。例えば、公共ネットワークへの接続固定費や、有線ネットワークの物理的なケーブルなどのメンテナンス費用はその対象になり得ます。

メリット②:セキュリティの担保

ローカル5Gは自エリア内でネットワークを構築できるため、外部ネットワークと切り離して運用することが可能です。また、周波数によってはサービスエリア外への電波の漏洩が少ないため、高度なセキュリティの実現が可能です。

このため、自社内の情報が外部に漏洩するリスクを抑えることができます。特に、研究所や工場といった施設内に機密情報が多く存在する企業においては、ローカル5Gによるセキュリティ対策は有効です。

メリット③:Wi-Fiよりも広範囲をカバーできる

施設内のネットワークとして、従来はWi-Fi®の利用が一般的でした。しかし、Wi-Fiの通信範囲は限られた狭い領域であるため、大規模な工場やスタジアムなどの広い場所や、農地や建設現場といった屋外の通信までをカバーすることは困難でした。

ローカル5Gであれば、広範囲の通信がカバーできます。そのため大規模な工場や建設現場などで活用する動きが広がりつつあります。

メリット④:安定性があり通信障害の影響を受けにくい

ローカル5Gでは、WiFiや公衆回線などと比較して、低遅延や高速伝送が担保されます。また、帯域を占有できるため、輻輳や干渉の心配がありません。災害時や大規模なイベントの発生時に、多くのユーザーがキャリアの5G回線を利用すると、ネットワークの輻輳が発生して接続困難になる可能性がありますが、ローカル5Gのように独立したネットワークであればそのような心配はありません。

仮に不具合が出たとしても自前で修理を行なうことですぐにネットワークを復旧できるメンテナンス性があります。

メリット⑤:適用エリア・システムを柔軟に構築可能

ローカル5Gのメリットとして、希望するエリアに柔軟に展開できるカスタマイズ性があり、それぞれのニーズ (希望するエリア、低遅延、広帯域、多接続、低消費電力、etc.) に合わせて、システムを構築できます。さらに、状況によってアンテナの配置換えなど自身でメンテナンスを行うことが可能です。

無線通信向け 無料 MATLAB® 評価版はこちら