MATLAB および Simulink セミナー

第10回 建機、農機、産業車両業界向けセミナー

会場 開始時刻 終了時刻
グランフロント大阪 2025 年 9 月 30 日, 13:00 JST 2025 年 9 月 30 日, 17:10 JST

概要

今年で10回目となる「建機、農機、産業車両業界向けセミナー」を大阪で開催いたします。

本セミナーでは、最新の技術動向や市場のトレンドについて議論する場として、業界のリーダーや専門家による講演を通じて、産学における最新情報や事例を共有し、協調領域における連携のための参加者同士のネットワーキングを促進します。

展示コーナーでは、パートナー企業様ならびにMathWorks のエンジニアがデモ紹介を行い、技術相談をお受けいたします。

本セミナーを通して、業界全体の発展に寄与することを期待しております。皆様のご参加をお待ちしております

ハイライト

  • 最新技術動向と市場トレンドの議論
  • 業界リーダーや専門家による講演
  • 産学連携の最新情報と事例共有
  • 参加者同士のネットワーキング促進
  • MathWorksおよびパートナー各社によるデモ展示

参加対象者

  • 建機メーカー、農機メーカー、産業車両メーカーで研究・開発、設計に携わるエンジニア、および、マネージャ層
  • エンジニアリング企業、ソフトウェア受託開発企業などで、建機・農機・産業車両開発に携わるエンジニア、および、マネージャ層

講演者について

脇谷 伸
広島大学 先進理工系科学研究科 准教授
2013年広島大学大学院工学研究科博士課程後期修了。東京農工大学大学院助教を経て,2016年に広島大学モデルベース開発(MBD)基礎講座寄附講座講師として着任し、社会人技術者を対象としたMBD教育に従事。2021年4月に一般社団法人デジケーション代表理事に就任、同年10月より広島大学准教授。現在は、モデルとデータを融合した新たなシステム設計論「スマートMBD」の理論構築と実践展開に取り組んでいる。

井田 裕介
株式会社クボタ 機械総合研究ユニット 機械研究開発第二部
油圧技術を用いたロボットに関する研究で修士号を取得後、2019年に株式会社クボタへ新卒入社。新コンセプト農業機械の開発、新技術実現に向けた制御領域の先行研究に従事。2020年から傾斜不整地走行車両KATRの開発を開始し、システム検討から制御アルゴリズム構築、ECUへの組み込みソフトウェア作成まで幅広く担当している。MATLABはデータ解析やシミュレーションだけでなく、事務作業の効率化等多岐にわたって活用している。

本間 暉
ヤンマーホールディングス株式会社 技術本部 電動電制システム開発部
2019年 現ヤンマーホールディングス株式会社入社。建機のソフトウェア開発を担当。現在はロボット農機のソフトウェア開発に従事

大林 薫
株式会社小松製作所 開発本部デジタルイノベーション開発センタ エキスパートエンジニア
2013年に株式会社小松製作所に入社し、モデルベース開発の普及促進に従事。1DCAEやモデルベースキャリブレーションの開発適用検討を行ってきた。現在は、大阪大学大学院工学研究科にも所属し、官能性能設計へのモデルベース開発の適用に関する研究も行っている。

小林 昇洋
MathWorks Japan アプリケーションエンジニアリング部(産業用機械担当) プリンシパルアプリケーションエンジニア
自動車業界にてモデルベース開発の主にシミュレーション業務に従事。2014年に​MathWorks Japanに入社し、様々な業界での​モデルベースデザインの適用を支援。近年は、産業用車両及び、機器に注力。​メカ・エレキ・制御など含むマルチドメインシミュレーションの技術領域を幅広く担当。

新井 克明​
MathWorks Japan アプリケーションエンジニアリング部 アプリケーションエンジニア
機械メーカーにて産業用ディーゼルエンジンのECU開発業務に従事したのち、2013年からMathWorks Japanにてアプリケーションエンジニアとして活動。机上シミュレーションからリアルタイムシミュレータによるRCP/HILS環境構築まで、モデルベース開発フロー全体の導入支援を様々な産業分野の顧客に向けて提供している。

草野 駿一​
MathWorks Japan アプリケーションエンジニアリング部 シニアアプリケーションエンジニア
電波によるリモートセンシング、およびリモートセンシング画像解析を専門に学位取得。2013年から航空測量会社にて、衛星リモートセンシング画像解析、技術開発に従事。2019年に MathWorks Japan に入社し、アプリケーションエンジニアとして主に画像処理、信号処理、ディープラーニング、レーダ、自律ロボットに関係する技術領域を担当している。

アジェンダ

時間 タイトル

12:40-13:00​

受付

13:00-13:35​​

建機分野におけるモデルベース開発(MBD)を核とした産学連携
広島大学 脇谷 伸

建設機械における自動化・高性能化ニーズを背景に、本講演では広島大学とコベルコ建機が推進するモデルベース開発(MBD)プラットフォームを紹介します。MILS/HILSを活用した実践教育による若手技術者育成と、モデルとデータを融合したスマートMBD階層型油圧制御の開発・実装という“教育と研究の両輪”を通じて、人材育成と次世代制御技術の社会実装を同時に実現する産学連携の取組を共有します。

13:35-14:10​

中山間部作業の未来を変える! MBDツールを駆使した前例のない新機種開発
株式会社クボタ 井田 裕介

中山間部の農業や土木工事の現場では、従来の4輪車両やクローラでは対応できない傾斜不整地が多く、人力作業が依然として主流である。そこで、動物の脚のような機構と力制御技術を融合させ、世界初の傾斜不整地走行車両(KATR)を開発した。本機はハード・ソフト共に新規性が高く、システムも複雑であるため、Model-Based Designツールを活用して開発を進めた。この事例を昨年のMATLAB EXPOで紹介したところ、多くの反響をいただいた。今回は、より詳しい開発の舞台裏や最新情報を紹介する。また、建機・農機・産業車両業界の皆様と現状の課題を共有し、新機種開発の促進と業界のさらなる活性化を目指したい。

14:10-14:40

システム視点での1D-CAE活用とDILSへの展開
MathWorks Japan 小林 昇洋

建機・農機・産業用車両の開発では、制御、油圧、電動化など多分野にまたがる設計判断が求められます。本セッションでは、1D-CAEによる機構・制御連携モデルの構築から、DILS(/HILS)を活用した実機レスでの設計検証まで、開発プロセスに沿ったシミュレーション適用の全体像を紹介します。複雑な仕様検討や試作削減の中で、システム視点のモデル活用がどのような価値をもたらすのか、簡単なデモを交えて紹介します。

​14:40-15:00

休憩

​15:00-15:35

ロボット農機の開発におけるMBDの活用
ヤンマーホールディングス株式会社 本間 暉

ヤンマーでは、食料生産の省力化のため自動運転技術を搭載した農業機械の商品化に取り組んでいます。その開発は、限られた期間で複雑かつ多くの機能を量産品質で実現するため、さらなる開発効率の向上が求められています。そのためには、RCPやHILSなどMBDの活用が重要であり、その取り組みについて自律型散布ロボットの開発事例をもとに紹介します。

​15:35-16:05

オフロード車両開発の実機試験・計測業務で使える製品機能ダイジェス
MathWorks Japan 新井 克明​

複雑化するオフロード車両の開発において、机上シミュレーションを活用したモデルベース開発は設計アプローチとして有効な手法ですが、実機試験の運用や試験データ解析の効率化も、開発業務の推進において重要な要素となります。このようなニーズに対して、MATLAB、Simulinkおよび各種アドオン製品は、汎用ハードウェアによる制御プロトタイピングから車載CAN通信をはじめとした測定データの解析まで、様々な試験業務を効率化する機能を提供します。このセッションでは、試験・計測業務で使えるMathWorksの製品および機能をダイジェストでご紹介します。

​16:05-16:40

オペレータの経験則を反映した半自動制御の提案と検証環境の構築
株式会社小松製作所 大林 薫

建設機械の自動化において、多様に変化する外部環境への対応が課題の一つとなっている。この課題への対応として、弊社はオペレータの経験則を自動制御に反映する手法について研究を進めている。研究の第一歩として、油圧ショベルのすきとり操作を対象に、一部の操作をオペレータの経験則に基づいて自動で行う半自動制御システムを提案し、その検証環境を構築した。自動制御のロジックは、オペレータ視点の画像情報を入力とし、物体検出技術などを活用して操作量を推定することで、オペレータの操作を模倣した。さらに、MATLAB/SimulinkとUnityを連携させたシミュレーション環境を構築し、提案システムの検証を行った。本講演では、この事例について紹介する。

​16:40-17:10

まずはできるところから:仮想環境で試せる建機・農機の自律化
MathWorks Japan 草野 駿一

建機・農機業界では、労働力不足や安全性向上の観点から自律化への関心が高まっています。

本セッションでは、カメラやLiDARを活用した車両周囲の認識や、移動経路の生成・制御といった自動化・自律化に役立つ技術を、デモンストレーションを交えてご紹介します。さらに、実機を使わずに試行錯誤できる3Dシミュレーション環境を活用し、開発や検証を効率化する方法についても解説します。お持ちの課題や現場の状況に合わせて、まずはできるところから試してみませんか?

​17:10-17:40

閉会の挨拶

デモ展示・技術相談(ご希望者)

対象製品

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