一般に、PWM は、スイッチングデバイス( MOSFET / IGBT 等)に対し短時間にオン/オフの切り替えをしますが、これらを含んだ回路システムは、スイッチング時に急峻な応答を示す傾向が強いため、スイッチング時の計算精度を確保する意味でも、一般的に固定ステップソルバではなく可変ステップソルバ( SimPowerSystems では、ode23tb 推奨)が使われます。
しかし、固定ステップソルバに比べて可変ステップソルバは急峻な変化に追従するため精度面では保証されていますが、特に大規模なパワエレシステムの場合は、その分計算時間が掛かってしまうという問題があります。
このような場合に、ある程度精度は犠牲にしてもシミュレーション時間を短くするために、SimPowerSystems のライブラリに含まれている powergui ブロックを使って連続システムを離散化し、固定ステップで解析するという方法があります。
SimPowerSystems のモデルを離散化する手順は、モデル内のpowerguiブロックをダブルクリック -> [Simulation and configuration options]の[Comfigure parameters]ボタンをクリック。[Simulation type:] より [Discrete] を選択してください。
なお、Sample time (s): には、PWM のキャリア周波数 fc [Hz] (またはキャリア周期 Tc = 1/fc [sec] )に応じて、サンプリング時間 Ts [sec] を設定します。一般的には、PWM のキャリア周波数の 10 倍程度の周波数の逆数をサンプル時間に指定して実行し、連続の場合と比べてください。結果に許容できない程度の違いがある場合は、さらにサンプル時間を細かくして実行してください。
なお、実行速度を改善する方法が、ドキュメントの下記の箇所にまとめて記載されています。
・SimPowerSystems:User Guide > シミュレーション性能の改善 > シミュレーション速度の高速化
web([docroot '/toolbox/physmod/powersys/ug/f7-21251.html'])