Derivative(微分)ブロックを含むモデルの線形化は、正しい結果が得られないことがありますので推奨されていません。詳細な情報は、Derivativeブロックのブロックリファレンスに記載されています。
このような場合、下記の1の方法でモデルを表現して下さい。
1の方法で実現できない場合は、2の方法を利用して下さい。
1. 他のシステムへ微分項を組み込み、Derivative ブロックがないモデルに変更する
2. Derivative ブロックを近似微分に置き換える
以下で、それぞれの方法について説明します。
1. 他のシステムへ微分項を組み込み、Derivative ブロックがないモデルに変更する
例えば、下記の図のように、微分項を他のシステムへ組み込み、Derivative ブロックがないモデルに変更します。

なお、これにより分子の次数が分母の次数より高い非プロパーな伝達関数になる場合は、次の 2. の方法を利用してください。
2. Derivative ブロックを近似微分で置き換える
Derivative ブロックを線形化用の設定に変更する、または線形化用のブロックで置き換えることで、近似微分に置き換えることができます。
(注意)
MATLABのバージョンによって設定方法が異なります。
a) R14以降の場合
Derivative ブロックのブロックパラメータに時定数を設定します。
時定数 Na に対し、近似微分の伝達関数は Ga(s)= s/(Na*s+1) と表されます。
b) R13, R13SP1, R13SP2の場合
Derivative ブロックを、Simulink Extras の Linearization ライブラリにある Switched derivative for linearization ブロックで置き換えます。
近似微分の定数 Nb(Nb = 1/Na) に対し、近似微分の伝達関数は Gb(s) = Nb *s/(s + Nb) と表されます。
(注意)
a)、b)の方法について、時定数 Na を小さくする(近似微分の係数 Nb を大きくする)ことで高周波帯域まで微分特性を近似できるようになります。
しかし、時定数を小さくし過ぎた場合、最終的に線形化された結果のシステムの係数が極端に異なるオーダーとなり、数値解析が不安定となる原因につながります。
微分特性の近似精度と数値計算の安定性の両方のバランスを見て、時定数を検討してください。