R2024a 以降のリリースでは、MATLAB を対話的に起動した際、MathWorks Service Host(MSH)は以下のディレクトリから各ユーザーごとにインストールおよび起動されます。
~/.MathWorks/ServiceHost
これは、ホームディレクトリがネットワークマウントされているクラスター環境において、特に MSH のバージョンがv2024.7.0.6 より古い場合、ホームディレクトリの容量不足などの問題を引き起こす可能性があります。
下記の状況では、MSH はインストールも起動もされません。
- MATLAB Parallel Server を使ってクラスター上で並列ジョブを実行する場合(Slurm などのサードパーティ製スケジューラーも含む。ただし MATLAB Parallel Server ライセンスを使用している場合に限ります)。
- MATLAB R2024a Update 6 以降で 「-batch」フラグを使用し非対話的に MATLAB を実行する場合。
※ もし MATLAB の /licenses ディレクトリに「license_info.xml」ファイルが存在する場合、MATLAB は new licensing technology を使用しようとするため、たとえ「-batch」オプションを使っても MSH の起動が必要になります。/licenses ディレクトリに「license_info.xml」ファイルが存在する場合は、そのファイルを削除し、代わりに Concurrent などの別のライセンスファイル(例: network.lic)をコピーしてください。
ユーザーが MATLAB を対話的に起動する必要があるクラスター環境では、MSH のバージョンが少なくとも v2024.7.0.6 であることを確認することが重要です。
ls ~/.MathWorks/ServiceHost/$HOST | grep v20
v2024.7.0.6@
MATLAB R2024a の新しいアップデートレベルには、より新しい MSH のオフラインインストールファイルが同梱されています。たとえば、R2024a Update 6 には MSH v2024.7.0.6 のインストールファイルが同梱されており、このバージョンでは、従来のようにユーザーごとに MATLAB を起動したホストごとに MSH がインストールされるのではなく、各ユーザーにつき1つのMSHのみがインストールされるため、よりディスク容量を効率的に使用できます。
もしユーザーのホームディレクトリに古いバージョンの MSH がインストールされている場合は、MATLAB R2024a をUpdate 6 以上にアップデートした後、クラスター管理者が各ユーザーごとに以下のクリーンアップ手順を実施してください。
killall MATLAB
killall MathWorksServiceHost
rm -rf ~/.MathWorks/ServiceHost
rm -rf ~/.MATLABConnector
これにより、古い MSH がアンインストールされ、より新しく、かつディスク容量を効率的に使用するバージョンのMSH が、各ユーザーの MATLAB 起動時にインストールされるようになります。
もしMSHが他の問題を引き起こしていたり、上記の回避策で十分でない場合は、問題の詳細をMathWorksインストールサポートまでご連絡いただき、他の解決策についてご相談ください。